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外資系シリーズ: 残業がない

外資系の会社では残業がない。こんなことを聞いたことがないだろうか?これ自体はそうである場合が多いが、その理由はご存知だろうか。

この記事では、”外資系の会社では残業がない”ということに関して、その背景を解説します。

外資系シリーズとは

日本において、いわゆる外資系の会社に勤めていると、”外資系はXて本当?”、など色々聞かれることがあります。それらの質問の中には、外資系の会社に関する、幻想とも言えるような勘違いや間違いも少なくありません。

そこで、外資系シリーズという名前で、こういった日本で散見される外資系の会社に関する多くの方々が勘違いしている事柄に対して、それらが真なのかどうか、そしてその理由や背景を解説する記事を書いていこうと思います。

もし取り上げて欲しい内容があれば、是非コメントに書いてみてください。

外資系の定義

外資系の会社に関する勘違いの原因とも言える、この”外資系”という言葉ですが、このシリーズでは、”日本にオフィスを持つ米国に本社を持つ企業”と定義します。

厳密には、Wikipediaにあるように、”外国法人又は外国人が一定程度以上の出資をする日本の企業(通常は株式会社だが合同会社も増えている)“ですが、外資系の会社に関する勘違いは必ずしもこれに従った場合にのみ見られる訳ではないので、もっと簡単に想像ができる上記の定義にします (例えば、Wikipediaにある定義だと、LINE株式会社も韓国の外資系ですが、そう認識している方は少ないでしょう 🤐️)。

外資系という言葉であるにも関わらず、米国に限定している理由は、私がそれ以外を知らないからです。

では早速、本シリーズ最初のお題、”外資系の会社では残業がない”をお楽しみください。

残業がない理由

まず、”外資系の会社では残業がない”に関しては、真と偽の両方です。訴訟になることを避ける意味で、会社や上司から残業が強制されることはないでしょうが、残業をする人はいます。これは、日本にある外資系の会社でも、その外資系の企業の米国の本社やその他のオフィスでも同じです。

では、”外資系の会社では残業がない”という話はどこから出てきたのでしょうか?これを知るには、外資系の会社において、社員がどのように評価されるかを知る必要があります。

外資系の会社では、その多くが社員の評価をその社員の仕事の結果のみで判断します。私の勤めている会社もそうです (社員の評価の基準は社員に共有されていますが、そこに明記されています)。結果が会社にとって良いものであれば良い評価、そうでなければ悪い評価になります。これはどういうことかというと、仕事をするにあたっての努力は一切評価の対象にはなりません。相当な努力をしたけど良い結果が伴わなかった場合、勿論口では良く頑張ったと褒めたりもしますが (辞めて欲しくない場合には特に)、評価には一切反映されません。

つまり、残業をせずとも良い結果が出せると思うなら残業をせずに帰れば良いし、残業をしないと良い結果が出せないと思うなら残業をすれば良いのです。若しくは、結果の良し悪しがどちらでも良い場合も、残業したくないなら残業しなければ良いのです。こういう背景から、実際に残業をせずに帰宅する方々もいるが故に、”外資系の会社では残業がない”という話になっているのだと思います。

ちなみに、評価が悪い社員はどうなるでしょうか?単純にクビになるだけです 🌠️

実際に残業はしないのか?

では、実際にどれくらいの方々が残業をしないのでしょうか?これは、その会社の中における競争がどれだけ激しいかが大きく関わってきます。

長い時間働けば、それだけより多くの結果が残せるでしょう。仕事の効率が良ければ、同じ時間の中でより多くの結果が残せるでしょう。もし社員の多くが既に効率良く仕事をしている場合、そこでは差をつけられなくなります。そうすると、後はどれだけ仕事に時間を費やすかの競争になります。会社における競争が激しければ激しい程、皆がより長く仕事をするようになります。

こればっかりは自分が勤務したことのある会社のことしか分かりませんが、私が勤めた外資系の会社においては、殆どの方々が残業をしています。帰宅する時間こそ5pm以前であることも少なくないですが、その後家で仕事をしたりする場合はとても多いです。特に、外資系の会社の場合は、偉くなる程やることが増えるので忙しくなります。それが故に、偉い人こそより多くの残業をしている傾向にあると思います。

産休、育休、その他の休みも同じ

“外資系の会社では残業がない”という話の背景を知ると、それが産休や育休などに関しても同じであることが分かるでしょう。”外資系の会社では仕事より家庭のことを優先してくれる”、”子どもが熱を出した時もすぐに帰宅できる”、”上司がそれを当たり前の様に受け入れてくれる”等、非常に良く耳にします。

これ自体は上に書いてある通り真ですが、これは、子どもが熱を出した時に早く帰宅した社員に対して、帰宅した後も仕事をしていた扱いにしてくれる訳では決してありません。忘れてはいけません。早く帰宅しようがしまいが、社員は結果のみで評価されるのです。早く帰宅して、会社のためになる結果も出ていないのであれば、当然悪い評価になります。”子どもが熱を出した時もすぐに帰宅できる”というのは、”子どもが熱を出した時にすぐに帰宅しても良い評価が担保されている”ということではありません。産休や育休で仕事をしていない期間は、結果が無い期間という扱いになります。

結論

“外資系の会社では残業がない”と言われる背景が分かったかと思います。背景を知らずにそれだけ聞くと、外資系の会社は素晴らしい!と思う理由も分かります。ただ、それは、クビになるかもしれないことを天秤に掛けた選択肢だったのです。