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米国は香港をどう見ているか

2020年6月、中国は香港に対して中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法を公布、そして施行しました。これ以降、米国は香港に対する対応を変えました。この記事では、米国が香港に対してどう対応を変えたのか記載します。

中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法

中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法の詳細に関しては、Wikipediaの項目がとても上手くまとめているのでWikipediaを参考にすることをお薦めします (しかも英語の項目よりも日本語の方が詳細です)。重要なのは、香港における法律を、香港に審議の機会を与えることなく中国のみで制定、公布、そして施行したことです。これに対して、当時US Secretary of State (米国の国務長官) であったMike Pompeoさんは、“香港にはもう中国からの自治は無い”と発言しています。

中国による香港に対する中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法 (以下、香港国家安全維持法) の施行を受けて、2020年7月14日に米国は当時の大統領であるトランプさんがExecutive Order 13936を署名し、発令しました。同日に、米国の議会が提出したHong Kong Autonomy Actも、トランプさんによって署名されました (米国では、大統領が署名するとそれが法律になる)。これらによって、米国が香港を中国本土と区別することを辞めました

これまでは、米国は香港に対しては中国本土とは別の扱いをしていました。分かりやすい例だと、例えば米国が香港で生産されたものを輸入した場合は、その商品に対して”Made in Hong Kong”の表記を許容していました。米国は香港と中国本土との区別を辞めたため、現在では”Made in Hong Kong”の表記はもう許容されず、”Make in China”と表記する必要があります。米国における移民ビザに関しても、香港の枠と中国本土の枠は別だったようですが、これも香港の枠を無くし中国本土の枠のみになったようです。なお、香港の自治を根本的に損なわせたことに関して、30名ほどの個人を資金凍結、取引禁止、旅行禁止などの制裁対象としています。一連の措置に関しては、Wikipediaが非常にうまくまとめています

香港と中国を区別しないとどうなるのか

中国は近年、安全保障に関する法律を幾つか施行しています。2015年に中華人民共和国国家安全法 (香港国家安全維持法に似たもの)、2017年に中華人民共和国国家情報法を施行しました。

前者に関して、公益財団法人 日本国際問題研究所の”『China Report』Vol. 1 中国「国家安全法」の要点“によると、

第一に、同法第15条は、「人民民主主義専制政権を転覆、またはそれを扇動するいかなる行為も防止・阻止し、法に基づいて処罰する」ことを定めている。ここで言う「人民民主主義政権」とは、指摘するまでもなく、「最も広範な人民の代表」であるところの中国共産党による現行政権を意味する。したがって、この規定に基づき、政権交代につながる民主主義制度を求めるあらゆる活動は、「違法行為」として処罰の対象となることが考えられる。ここで注意すべきは、同法によって正当化される執法行為の範疇には、そうした活動を(未然に)防止することも含まれていることである。つまり、実際に民主化を扇動する活動を行ってはいない国民も、同法に基づく「予防的」取り締まりの対象になる可能性があるということである3。

とあります。安全保障そのものは、その国がどういう政治思想を採用していても、国とその国民を守るために必要なものであり、当然米国にも日本にも安全保障に関して法律が存在していたり、憲法に記載があるのはごく自然のことです。上記の引用にもあるように、中国においてこれが危険なのは、中国の国民を守るために何が必要なのかを判断するのが中国共産党である点です。それ故に、政権交代につながる民主主義制度を求めるあらゆる活動は、「違法行為」として処罰の対象となることが考えられます。

後者の中華人民共和国国家情報法は、”国家の諜報活動に関する基本方針とその実施体制、情報機関とその要員の職権等について規定“します。重要なのは、中国の国民は諜報活動 (スパイ活動) に協力する義務があると記していることです。

諜報活動への協力義務及びその報酬・権利保証

中華人民共和国国家安全法と中華人民共和国国家情報法を考慮すると、中国共産党が考える安全保障のためとなれば、中国の国民は諜報活動を行う義務があるということになります。この事実をどれくらいの中国の国民が認識しているのか分かりませんが、私が中国の国民でこの事実を知ればとても恐怖するでしょう。

中華人民共和国国家情報法は、その他にも、諜報活動によって国 (中国共産党) に対して大きな貢献があった国民には表彰や報酬を与えるとあります。

それなりの報酬を与えるからやってくれということですが、勿論貢献があったかどうか、それがどれくらいの貢献だったのかを判断するのは、この様な法律を制定し施行した中国共産党です。

長くなりましたが、米国が香港を中国本土と区別しないということは、香港の市民 (香港の国籍というものは存在しないため国民ではなく市民と呼んでいます) を上記のような法律が適応されている中国の国民と同様に扱うということす。

結論

香港国家安全維持法は、2020年に施行された法律です。現在、米国と他の先進国は、上記の理由も含めた背景から中国を相当警戒しています。今後も色々動きがあることが予想できます。その理由を正しく理解し、ニュースを真に受けず、自分で考えるために必要な情報が少しでもこの記事で得られたと感じられれば嬉しいです。