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LinuxマシンとしてのDell XPS 13 (9300)

今まで、XiaomiのMi Notebook Airというラップトップを使ってしました。IntelのMEに対して脆弱性が見つかった2017年 (Intel-SA-00086)、Xiaomiは更新を提供しませんでした。今確認してみましたが、今でも更新を提供していません。この時に、買ってもよいラップトップと、そうではないものがあることを知りました。

最近Mi Notebook Airでは色々遅くなってきたので、DellのXPS 13 (9300) を購入しました。例のIntelのMEに対する脆弱性にもいち早く対応していたのがDellで、尚且つ以前からApple以外のラップトップでは一番見た目も良いと思っていました。

この記事では、DellのXPS 13 (9300) の良いところ/悪いところ、使ってみて気づいたところを書きます。実際に一ヶ月程メインのマシンとして使っています。

MacBook [Pro|Air]と比べても魅力的

XPS 13は見た目がとても良いです。まずこの点がとても気に入りました。

上から 横から 開いた状態

作りはとても頑丈で、重さもそれ程ではありません。2020年の新しい13インチのMacBook Proが1.4kg、XPS 13が1.27kgです。作りに関しても、過去にMacBook AirとProを使ってきましたが、それらに比べて頑丈です。

一番MacBook Proなどと異なるのは、パームレストの素材でしょうか。

カーボン ファイバーのブラックのパーム レストとプラチナ シルバーのカバー、またはアークティック ホワイトの織り込みグラス ファイバーのパーム レストとフロスト ホワイトのカバー - New XPS 13 (9300)

だそうです。

実は昔にもXPSを検討したことがありました。その時には、実際にお店に触りにいって、このパームレストの感覚とキーボードの部分がペコペコしている (キーを強く押すとキーボード全体が下に押されて凹んでいる感じがする) ことを理由に購入を辞めました。

今回購入したXPS 13 (9300) では、パームレストの感覚とキーボードの部分のペコペコ具合は格段に改善していました。パームレストの部分の感覚は、布に触れている感覚に近いです。MacBook Proを使っている場合に感じる、ジャキジャキした感じとは大きく異なります。キーボードも、強く押すと少し全体が凹む程度で、普段のタイピングでは全体は凹みません。

ディスプレイは、4Kとそうではないものの選択肢があります。もし充電の持ちを優先するなら、4Kではない方が良いかなと思いました。4Kの方はタッチスクリーンになっています。タッチスクリーンは使わないので、私はBIOSで無効にしています。

実際に使わないと分からないのが、パームレストとキーボードの部分における指紋 (油脂?) の付きやすさです。この素材は、結構指紋が残ります。私は気にしないのですが、気になる人は気になると思います (上の写真でもスペースキーと左のパームレストに指紋が付いているのが分かるかと思います)。

OSによるハードウェアのサポート

XPS 13は、デフォルトでWindowsがインストールされています。Windowsで使う場合は、当然全てのハードウェアが公式にサポートされています。

私はLinux (Elementary OS) で使っていますが、ほぼ全てのハードウェアが特別な設定をせずとも動作します。日本のDellでは販売されていないようですが、米国ではXPS 13にDeveloper Editionというものがあり、Windowsの代わりにUbuntuがインストールされています。Developer Editionとそれ以外ではハードウェアの構成が大きく異なっているようには見えないので、XPS 13はLinuxで動作することがそれなりに期待できる数少ないラップトップなのです。これを理由に、同じくデフォルトでLinuxがインストールされているSystem76も検討しましたが、ラップトップの見た目からXPS 13を選択しました。

Linuxでは指紋リーダーが動作しないようですが、Dellのサイトによると、2020年の中旬には対応の予定があるようです。

XPS 13はwebcamが付いていますが、howdyを使ってLinuxにて顔認証を利用することもできるようです。

Windowsを残しておく

デフォルトでインストールされているWindowsですが、Windowsを利用するかどうかを別にしても消さずに残しておいた方が便利です。firmwareの更新や、後で記述する充電や熱に関する設定を変更する際に、Windowsがないと面倒です。

WSL 2Window Package Managerなど、最近のWindowsはソフトウェアエンジニアにも魅力的な選択肢になっていますし、残しておいても損はないでしょう。私は、Windowsに使用されていたパーティションのサイズを小さくして、追加のパーティションをLinuxのために作成しました。

ファンの問題

実際にXSP 13を利用していると分かりますが、結構ファンが動きます。特に、電源を繋いでいる時に動きます。何も作業していない時でも動いている時もあり、音もそれなりにします。どうしたものかと思い色々調べてみましたが、XPSは以前のモデルでもファンが気になる人は多いようです。

デフォルトでインストールされているWindowsには、Dell Power Managerというソフトウェアがインストールされています。

Dell Power Manager

これを利用することで、熱に対する設定を変更することができます。デフォルトでは、Optimizedというプロフィールになっていますが、Quietにすることでファンが動き始めるまでの温度のしきい値を上げ、尚且つCPUのパフォーマンスも意図的に落とします。この設定にすることで、私はファンが気にならないくらいになりました。

X11が落ちる

XPS 13 (9300) をElementary OSで動かしていると、頻繁にX11が落ちていました。特に、一行に長い文字列があり、それを表示しようとした場合に落ちている感じがしました。

journalctlで原因を突き詰めていくと、どうやらGPUに関する部分でエラーが出ており、それが理由でX11が落ちている感じでした。似たような症状がi915のドライバーのバグとして起票されていて、workaroundとして提示されている通り、mesaのバージョンを新しいものにすると解決しました。

この問題は、XPS 13 (9300) をLinuxで使う場合はElementary OSでなくとも起こり得ると思うので、Linuxで使う場合はmesaのバージョンに気をつけてください。

結論

長い間macOSを使っていて、4年ほど前からLinuxに乗り換えましたが、MacBookを超えるラップトップがないことが悩みでした。XPS 13 (9300) は、見た目も性能も、Linuxで使う場合を考慮しても、非常に満足しています。もしLinuxで使うラップトップを探している場合は、XPS 13 (9300) はお勧めです。