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外資系シリーズ: 日本人に馴染みのない正しい英語の文法

外資系の会社で勤めている限り、英語は避けられない。S (主語) V (動詞) O (目的語) という一般的な英語の文法は分かっていても、コンマや括弧、引用に関する英語の文法を正しく理解している人は多くない。

この記事では、日本人には馴染みのない、だけれども重要な正しい英語の文法に関して記載します。

空白

日本語には、文の中に空白は存在しない。それが故に、正しい日本語においては、”アーノルド・シュワルツェネッガー”であり、”アーノルド シュワルツェネッガー” (アーノルドとシュワルツネッガーの間に空白) ではない。日本語には空白が無くとも、日本語以外、例えば英語には空白が存在する。それが故に、空白のあるものを日本語として表現する場合は、空白の代わりに”・”が用いられる。これは、日本語に空白が存在しないことに対する良い例である。

日本語には空白が無いため、日本語以外の言語における空白の概念を理解するのが難しいのかも知れない。私は、会社でもそれ以外でも、日本における英語において、空白の概念が正しく理解されていないと感じる場面に多く出くわす。

括弧

その最たるものが、括弧に関する空白である。例えば、以下のような英文があるとする。

Arnold Alois Schwarzenegger (born July 30, 1947) is an Austrian-American actor, film producer, businessman, retired professional bodybuilder and politician who served as the 38th governor of California between 2003 and 2011.

これは、英語版のWikipediaにおけるシュワちゃんの項目に記載のある一文である。

Arnold Alois Schwarzenegger (born July 30, 1947) is an Austrian-American actor

上記の部分を切り抜いたが、”(“の前と”)”の後には一つ空白があるのが分かるだろうか。英語においては、”(“の前と”)”の後には一つ空白が必要なのである。しかし、驚くくらいこれができていない英文を見かける。確かにこれは、日本で受けた英語の授業では習ったかどうかはっきりと覚えていないので、もしかしたら教えていないのかも知れない。そして、空白が無い日本語を主に使う方にとっては、それがどうした、と思うかも知れない。英語にとっては、空白は英語の文法の一部であり、非常に大切な概念である。これがあるかないかで、気が狂う方もいるはずである (後に記載するoxford commaは、vimとemacsのように戦争を誘発するものである)。

括弧における、”(“の前と”)”の後には一つ空白が必要であることを覚えておこう。これで、教養の無い人だと思われずにすむ。

ピリオド

ピリオドに関しても、空白に関する文法が存在する。

Arnold Alois Schwarzenegger (born July 30, 1947) is an Austrian-American actor, film producer, businessman, retired professional bodybuilder and politician who served as the 38th governor of California between 2003 and 2011. Time magazine named Schwarzenegger one of the 100 most influential people in the world in 2004 and 2007.

“the 38th governor of California between 2003 and 2011.”の後、”Time magazine named”が始まる前に一つ空白がある。これは、偶然ではなく、コンマの後には空白が必要なのだ。この空白が無いまま、次の文章が前の文章と繋がっている文章も非常に多く見かける。

これに関しては、技術も邪魔をしている部分がある。テキストエディタやGoogle Docsなどにおいて、改行が故にコンマの後に空白があるのかどうかの判別が難しい場合がある。その場合は、あえてコンマの間にあるであろう空白を削除し、コンマが消えてしまうか空白が消えるかによって、コンマの後に空白があることを確認する。

これも、括弧の場合と同様、できていないと著しく教養がないと思われるので気をつけたい (小卒くらいだと思われるだろう)。

コンマ

上記のピリオド同様、コンマの後にも空白が必要である。

Arnold Alois Schwarzenegger (born July 30, 1947) is an Austrian-American actor, film producer, businessman, retired professional bodybuilder and politician who served as the 38th governor of California between 2003 and 2011.

(born July 30, 1947)の部分において、July 30,の後に一つ空白がある。これは偶然ではなく、正しい英語の文法において必要なものである。ピリオド同様、コンマの後に空白の無い文章を嫌というほど見かける。

クオーテーションにおけるピリオドとコンマ

これに関しては、英語を母国語とする方でも知らなかったり間違えることがある文法であるが、知っておくべき英語の文法である。

In 1992, Schwarzenegger and his wife opened a restaurant in Santa Monica called Schatzi On Main. Schatzi literally means “little treasure,” and colloquially “honey” or “darling” in German. In 1998, he sold his restaurant.

Schatzi literally means "little treasure,"において、"little treasure,"になっていることに注目していただきたい。"little treasure",であるべき、もしくはこんな表記の方法があることすら知らない方も多いだろう。クオーテーションマークに囲まれた文において、その文の最後がコンマ及びピリオドである場合は、そのコンマとピリオドはクオーテーションマークに囲まれた文の一部とするのが正しい英語の文法である。

上記のピリオドとコンマの部分でも記載したが、ピリオドとコンマの後には一つ空白が必要である。しかしそれらがクオーテーションマークで囲まれている場合は、その限りではない。

Schatzi literally means “little treasure.” It also colloquially means “honey” or “darling” in German. In 1998, he sold his restaurant.

上記の文章の場合、実際に空白があるのは"little treasure."における二つ目の"であり、.ではない。

Oxford comma

英語には、oxford commaという概念がある。複数の単語をコンマを使って羅列する際に、”and”若しくは”or”の前にもコンマを使うか否かに関するもので、コンマを使うものがoxford commaを使っているという扱いになる。

“France, Italy and Spain” (without the serial comma)

“France, Italy, and Spain” (with the serial comma)

これに関しては、どちらが正しいという話ではなく、こういう概念があるということに過ぎないが、これがoxford commaと呼ばれているということ自体は教養として知っておきたい。私は、oxford commaを使わないと、最後の二つの単語を別々のものとして扱うのか一つのものとして扱うのか分かりにくいという理由で、oxford commaを使う。

上記の例でいうと、

["france", "italy", "spain"]

なのか

["france", "italy and spain"]

なのかが分かりにくい。

結論

米国においては、義務教育において英語の授業を受けます。これは、日本における国語ではなく (それはEnglish literature)、日本語の文法の授業に相応します。この授業において、英語の文法と、英語で文章を書くことに関して学びます (構成として起承転結を持つべきなど)。

残念ながら、日本では日本語の文法や日本語で文章を書くことに関しては殆ど学ばなかったと思います。しかし、米国ではそれが英語に対して行われていることから、そこで学ぶようなことができていない日本人は、教養がない人として認識されます。白人様は大変意地悪ですから、これが分かると同じ人間として接してくれなくなります。

特に、日本語に空白が無いが故に、それに関する英語は正しく認識できていないことが多いでしょう。この記事を参考に、それらを少し気にしてみてください。